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読書会で紹介されました“おすすめ読書“本についてお伝えします。

今回のまわりに読んだ人がいない小説読書会(2023年1月8日)で紹介されました本はこちらです。
ティーショップ / 『ゾラン・ジフコヴィッチの不思議な物語』 著:ゾラン・ジフコヴィッチ

不思議でスマートな短い物語を読みたいときにおすすめの1冊です。

ゾラン・ジフコヴィッチーー。ソビエト連邦の崩壊に伴って独立した旧ユーゴスラビアの作家さんのようです。

出版された当時はそれなりの知名度があったらしいのですが、紹介された方はこの本をなぜ購入したかという理由は覚えていないと断言されていました。

本は薄くて150ページにも満たないペーパーバックです。その中には3編の短編が収められています。中でも特にお気に入りなのがこの『ティーショップ』。

ユーゴスラビアについては様々な文化が交差し、文化的な多様性が高いイメージがあります。例えば、東欧の文化やイスラム文化などがミックスされた独特の空気があるように感じています。

長編愛好者が選ぶ珠玉の短編作

紹介された方は長編小説を好んで読み、あまり短編小説を読まないようですが、この作品は格別に気に入っているとのことでした。

私自身もどちらかといえば、長編小説の方がよく読む傾向にあります。一方、読者によっては長編小説のように詳細な描写が好きでないと感じる人もいらっしゃいます。忙しい時間の合間をぬってサクッと読める短編がいいなんて。

ゾラン・ジフコヴィッチ氏の小説は日本ではほとんど翻訳されていません。
少量の発行部数で見つけにくいことがあります。そのため、現在では書店で手に入れるのは困難なのでインターネットからの購入するのがいいと。

私は聞いたことがなかった作家であり、未知の短編に心を躍らせながらその紹介を聞きました。


【あらすじ】

駅前のティーショップで謎の「物語でできたお茶」を注文した女。普段は冒険などとんでもない女だったが、たまたま鉄道駅で待ち時間ができてしまったその日に限って、違うことがしてみたくなる。メニューの中から一番変わった「物語でできたお茶」を注文すると、お茶を運んできたウェイターが失踪した死刑執行人の物語を語り始める。ウェイターが話を終えると、次にレジ係が、そして店にいた客までもが席にやってきて、ひとりずつ話の続きをつむいでいく。――

(引用元:版元ドットコム)

「もう少し内容を教えていただけますか?」

紹介された方はネタバレにも配慮をして、物語の導入部分を簡単に話してくれました。
ティーショップには4ページにもわたる”お茶”のメニューがびっしりと書かれています。イラクサのお茶、パピルスのお茶、キャベツのお茶……そのお茶の種類だけでもユニークで興味をそそります。

主人公の女性が選んだのは、これまた珍しいネーミングの”物語のお茶”でした。
そのお茶を一口飲むと、ウエイターが物語を語り出す――。

とても気になります。もう少し続きを聞きたくなりました。

「輪廻というか、物語が輪舞するんです」

紹介された方は、この短編『ティーショップ』が特に好きで、その理由としてこう表現してくれました。

輪舞? 踊りながら輪を作って回ることでしょうか。輪舞は様々な文化や地域で見られ、その地域ごとの形態があります。この『ティーショップ』にもそういった個性の異なる物語の輪が回りながら続いていくのでしょうか。

紹介された方の語り口調がとても柔らくて、穏やかでその物語がよりいっそう神秘的に感じました。

「世にも奇妙な物語的なあれですか?」

不思議な物語を読むと、現実世界では起きないような事件や状況を通じて、想像力が増して思考を促されたりして感嘆することがあります。

『ティーショップ』の紹介をされているときは、そんな気分でした。

著者は、旧ユーゴスラビア出身の作家でSF・ポストモダン・シュールレアリスムといった変幻自在の作風で、東欧のボルヘスとも称されるとか。幻想的な手法が得意な作家さんなのでしょうか。

後日談ですが、実はあまりにも読みたくなって私もインターネットで『ゾラン・ジフコヴィッチの不思議な物語』を購入しました。現在積読中ですが、近いうちに読みたいと思っています。

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