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2023年2月23日の読書会


今回は非日常でありエンターテイメント性の高いミステリー・ホラーSF小説に絞って読書会をしました。超常現象、謎解き、未来や宇宙、現実とは異なる架空のフィクション要素の強い物語が紹介されることを楽しみにしていました。

その中から紹介してくださった本たちはこちらです。


なめらかな世界と、その敵 / 伴名 練

■まさに現代的な日本SFを読みたいあなたにおすすめの一冊

いくつもの並行世界を行き来する少女たちの1度きりの青春を描いた表題作のほか、脳科学を題材として伊藤計劃『ハーモニー』にトリビュートを捧げる「美亜羽へ贈る拳銃」、ソ連とアメリカの超高度人工知能がせめぎあう改変歴史ドラマ「シンギュラリティ・ソヴィエト」、未曾有の災害に巻き込まれた新幹線の乗客たちをめぐる書き下ろし「ひかりより速く、ゆるやかに」など、卓抜した筆致と想像力で綴られる全6篇。SFへの限りない憧憬が生んだ奇跡の才能、初の傑作集が満を持して登場。

 引用:「BOOK」データベースより

■興味深い質問

「ファニー・ヴァレンタインのスタンド知っています? ジョジョ7部に登場する」

表題作『なめらかな世界と、その敵』に登場する少女たちの特殊能力が『ジョジョの奇妙な冒険』7部に登場するキャラクターのスタンドと似ているらしく、この質問が投げかけられました。

■参加者が盛り上がったところ

侏儒の言葉 / 芥川龍之介

泳ぐことを学ばない人に泳げと指図するのも、走ることを学ばない人に駆けろと指示するのも酷なことですーー。『なめらかな世界と、その敵』に『侏儒の言葉』を思い出させるシーンがあるようですが、まさかこの小説の紹介で「芥川龍之介」の名を聞くことになるとは思いもよりませんでした。

■この本をより楽しめる情報

ベストSF2019[国内篇]1位に輝いた傑作。
表題作『なめらかな世界と、その敵』は鈴木 健の『なめらかな社会とその敵』が元ネタなのでしょうか?

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だからダスティンは死んだ / ピーター・スワンソン

■オチだけではなく、途中も面白いミステリー小説を読みたいあなたにおすすめの1冊

ボストン郊外に越してきた版画家のヘンと夫のロイドは、隣の夫婦マシューとマイラの家に招待された。食事後にマシューの書斎に入ったとき、ヘンは2年半前に起きたダスティン・ミラー殺人事件で、犯人が被害者宅から持ち去ったとされる置き物を目にする。マシューは殺人犯だと確信したヘンは、彼について調べ、跡をつけはじめるが……。数人の視点で語られる物語は読者を鮮やかに幻惑し、衝撃のラストへとなだれ込む。息もつかせぬ超絶サスペンス!

引用元:「版元ドットコム」より

■興味深い質問

「何度もどんでん返しがある小説ってあるんですか?」

ミステリー小説のストリーラインや展開、トリックの話になりました。

■参加者が盛り上がったところ

「思い出すんですよ。80年代のサイコミステリーを」

紹介された方は、ウィリアム・カッツの『恐怖の誕生パーティ』やジョン・ラッツの『同居人求む』を懐かしんでいました。

■この本をより楽しめる情報

「このミステリーがすごい!」の海外編で第2位になっています。
著者の小説には『そしてミランダを殺す』『アリスが語らないことは』『ケイトが恐れるすべて』だったりタイトルに女性の名前がありますが、今回は”ダスティン”男性です。

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方形の円 / ギョルゲ・ササルマン

■空想好きなあなたにおすすめの1冊

「いくつかの想像上の都市の短い叙述で本を一冊作るというアイデア。その中に5000年の都市史の偉大と悲劇を圧縮する」――ルーマニアの鬼才が描き出す、「憧憬市(アラパバード)」「学芸市(ムセーウム)」「憂愁市(シヌルビア)」ほか36の架空都市の創造と崩壊の歴史。ーー

引用元:「版元ドットコム」より

■興味深い質問

「架空の書評をする小説もありませんでしたか?」

「ありましたね」といいつつその小説が思い出せませんでした。おそらくスタニスワフ・レム の『完全な真空』です。

■参加者が盛り上がったところ

「ドラゴンクエストのような世界観」

少年の頃、ゲーム「ドラゴンクエスト」で冒険しながら架空の町を訪れた感覚が蘇りました。

■この本をより楽しめる情報

イタリアの小説家イタロ・カルヴィーノの代表作のひとつである架空都市を描いた『見えない都市』に肩を並べる大作。著者自身も建築士としての顔もあり、その知見を十二分に発揮している。


祭火小夜の後悔 / 秋竹 サラダ

■ホラーも好き、ミステリーも好きなあなたにおすすめの1冊

毎晩夢に現れ、少しずつ近づいてくる巨大な虫。この虫に憑かれ眠れなくなっていた男子高校生の浅井は、見知らぬ女子生徒の祭火から解決法を教えられる。幼い頃に「しげとら」と取引し、その取り立てに怯える糸川葵もまた、同級生の祭火に、ある言葉をかけられて――怪異に直面した人の前に現れ、そっと助言をくれる少女・祭火小夜。彼女の抱える誰にも言えない秘密とは? ーー

引用元:版元ドットコム

■興味深い質問

「怪異は怪異なりのルールがある?」
ホラー、超常現象にも理屈があり、その道理に沿って理詰めで解決する物語なのでしょうか。

■参加者が盛り上がったところ

『黒猫を飼い始めた』

紹介された方は著者の秋竹 サラダさんを、黒猫を飼い始めてみたーーの書き出しで始まるショートショートのアンソロジーで見かけたらしく喜んでいました。

■この本をより楽しめる情報

第25回日本ホラー小説大賞と読者賞をダブル受賞。
帯には宮部みゆき氏も絶賛。ホラー界にニューヒロイン誕生。と読書欲をかき立てられます。

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悪霊館の殺人 / 篠田秀幸

■王道の本格推理小説を読みたいあなたにおすすめの1冊

平成五年七月下旬に始まり、ひと夏かけて不気味に進行した挙句、九月十四日の深夜、ある悲劇と共に突如として終結した「小此木家霊魂殺人事件」。白マスク男、密室殺人、降霊会、幻影の塔……次々と現れる謎に挑む、精神科医にして名探偵の弥生原公彦。複雑にして因縁からむ人間模様にひそむ遠大なる罠とは?「オーバー100マイルの剛球が現代本格の空虚な中心を射抜く」(大森望氏)本格ミステリー、渾身の書き下ろし、1300枚!に把握できる名著として紹介され続けてきた作品。

引用元:角川春木事務所HP

角川春木事務所詳細はこちら

■興味深い質問

「中だるみはありましたか?」
「ありませんけど、まだ誰も死んでいない。とは思いました」

■参加者が盛り上がったところ

「犯人が明かされたあとの探偵の態度が好きなんです」

普段あまりミステリー小説を読まない私にはそんな感情がなく、目からウロコでした。

■この本をより楽しめる情報

市役所から教員というバックグラウンドをもった著者。新本格派第二次世代として活躍。
本作は600ページ超の2段組で読み応えがたっぷり。

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【まとめ】

今回は、ミステリー・ホラーSF小説の世界は、私たちの想像力を刺激し、楽しさや興奮を与えてくれることがわかりました。これからもさまざまなジャンルの作品を読んで新しい世界を発見していくことを楽しみにしています。

また同じように『ミステリー・ホラー・SF小説限定』読書会の開催をしたいと思います。


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