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2022年12月4日の読書会

ネタバレをせずに、ミステリー本の良さを伝えるのがとても難しいです。その部分には細心の注意をはらいながら読書会がスタートしました。


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方舟 / 夕木 春央

■迫りくるスリルを肌で感じたいときに読む本

9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か?

大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。
翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれた。
――そんな矢先に殺人が起こった。
――タイムリミットまでおよそ1週間。それまでに、僕らは殺人犯を見つけなければならない。

引用元:版元ドットコム

帯に寄せられた幾つもの絶賛の声。

■興味深い質問

「面白かったですか?」というかなりシンプルな質問。
これは『方舟』に対する注目度の高さからくる質問でした。

■参加者が盛り上がったところ

「ある人を助けるために他の人を犠牲にするのは許されるか?」というトロッコ問題について。

■この本をより楽しめる情報

SNSで読書アカウント界隈で毎日見かけるほどの盛り上がりを見せていた衝撃作です。

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六人の嘘つきな大学生 / 浅倉 秋成

■コミュニティでのかかわり合いに悩んでいるときに読む本

成長著しいIT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用。
――「六人の中から一人の内定者を決める」
――個人名が書かれた封筒を空けると「●●は人殺し」だという告発文が入っていた。彼ら六人の嘘と罪とは。

引用元:版元ドットコム

2022年の本屋大賞にもノミネートされており、ブランチBOOK大賞、他にもいくつかのミステリー小説ランキングにも顔を出す実績のある本です。

■興味深い質問

「なんとしてでも内定を勝ち取りたいんですか?」

■参加者が盛り上がったところ

参加者の就職活動に関する苦い記憶を思い返しているであろう表情。

■この本をより楽しめる情報

ドラマ化はすでにされており、映画化の話もあります。
話題沸騰の小説、就職活動が続く限りまだまだ読まれていく名作になりそうです。

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土曜日の子ども / 小森 収

■闇に誘われたいときに読む本

そこは公園に面した本屋さん──

土曜日にしかやってこない幼い兄妹、
本を入れ替える高校生たち、
どしゃ降りの中なぜ男は傘を使わなかったのか?

「街」というものが
崩れゆく姿を描いた連作ミステリ

引用元:版元ドットコム

ノンフィクションや児童書まで描く、幅広い著者の作品

■興味深い質問

「日常の謎ってなんですか?」

■参加者が盛り上がったところ

五十円玉二十枚の謎という「日常の謎」定番の話。
あまり人には薦めにくい本です。

■この本をより楽しめる情報

著者自身は編集者、ミステリ書評、文芸評論家として顔もあり本格的、玄人向けで高いクオリティの一冊。


半落ち / 横山 秀夫

■個人的で大きな葛藤に直面したときに読みたい本

「妻を殺しました」。現職警察官・梶聡一郎が、アルツハイマーを患う妻を殺害し自首してきた。動機も経過も素直に明かす梶だが、殺害から自首までの2日間の行動だけは頑として語ろうとしない。梶が完全に“落ち”ないのはなぜなのか、その胸に秘めている想いとは――。

引用元:版元ドットコム

直木賞の最終選考で議論を巻き起こした問題作

■興味深い質問

「渋い小説を読んでいますね?」
性別世代を問わず多くの人に刺さる物語性、圧倒的な筆力で描かれた「人間」。

■参加者が盛り上がったところ

アルツハイマーや痴呆症介、護問題にも切り込んでいるので、今また見つめ直すべき小説。

■この本をより楽しめる情報

言わずとしれた名作。テレビドラマや映画化もされていて、第一級の俳優さんが出演しています。


いざ言問はむ都鳥 / 沢木 喬

■何気ない日々の生活に違和感を抱いたときに読みたい本

若葉萌す春、緑なす夏、紅葉の秋、枯槁の冬……そして新生の春。植物学者は四時とりどりに忙しい。その生活に重ね合わせて、あるいは花占いの果てとも見える場景に犯罪を匂わせ、あるいは自殺志願者が遺体発見を遅らせたがった理由に植物学的考察を試みる。自然界へのオマージュが織りあげた錦繍の四編を収める、端整なデビュー短編集。

引用元:東京創元社

日常系ミステリーの隠れた名作

■興味深い質問

「これも日常系のミステリーですか?」

■参加者が盛り上がったところ

3冊目に紹介された『土曜日の子ども』との比較、引き続き日常の謎の話題。

■この本をより楽しめる情報

「北村薫は二人いらない」と評されたほど実力は折り紙付きです。
表題作は伊勢物語の短歌より。


「グレート・ギャッツビー」を追え / ジョン・グリシャム

■アメリカの本屋事情、作家の生活に興味がある人におすすめ

盗まれたのは、フィッツジェラルドの直筆原稿。その行方を知る者は? 村上春樹が翻訳する最強の文芸エンターテインメント。

引用元:版元ドットコム

リーガル・サスペンスの名手が放つ、リゾート・バカンスを楽しめる一冊。

■興味深い質問

「村上春樹さんの翻訳はどうですか?」

■参加者が盛り上がったところ

『長いお別れ』『ロング・グッドバイ』や『ライ麦畑でつかまえて』『キャッチャー・イン・ザ・ライ』の翻訳はどっちが好みか?

■この本をより楽しめる情報

アメリカの”ロストジェネレーション”好きにはたまらない情報があります。

【まとめ】

本格ミステリー小説にはいくつものお作法が存在しています。厳格なミステリ議論になるのかと構えていました。が、和気あいあいと”謎”について話すことができました。
今回紹介いただきました6冊は、ミステリーの中でもバランス良く異なるタイプの小説。
ただ単に謎を解くだけではなくて、その背景がとても興味深い内容だったので話も弾みました。


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