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読書会で紹介されました“おすすめ読書“本について、その魅力をお伝えします。

今回はミステリー限定読書会(2022年12月4日)で紹介されました本はこちらです。

『六人の嘘つきな大学生』 著:浅倉 秋成

この本でミステリーと就活の苦い思い出(もしくは良い思い出)を噛み締められるお得な一冊です。

テーブルの上に置かれた紹介本。
表紙には、就活生であろうと思われるリクルートスーツを着た男女が数人バラバラの方向を向いています。
もう一度、タイトルを確認しました。

『六人の嘘つきな大学生』この学生たちが就活の場面で、企業の面接やエントリーシートなりに嘘をつきまる話なのでしょうか? そう直感しました。
帯には「すべての伏線を見破れ」。

たしか今回はミステリー限定の読書会。
もしかして就活生が密室の会議室で殺人事件が起きるのではないのか? そんな物々しい雰囲気も感じました。

そうしてみると、表紙に映る学生たちの表情にも不穏な影が見えてきます。
この本を紹介された方は、物語の概要を話すときに自身の就活を思い出したと言いました。

【あらすじ】

成長著しいIT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用。最終選考に残った六人の就活生に与えられた課題は、一カ月後までにチームを作り上げ、ディスカッションをするというものだった。全員で内定を得るため、波多野祥吾は五人の学生と交流を深めていくが、本番直前に課題の変更が通達される。それは、「六人の中から一人の内定者を決める」こと。仲間だったはずの六人は、ひとつの席を奪い合うライバルになった。内定を賭けた議論が進む中、六通の封筒が発見される。個人名が書かれた封筒を空けると「●●は人殺し」だという告発文が入っていた。彼ら六人の嘘と罪とは。そして「犯人」の目的とは――。

(引用元:版元ドットコム)


ミステリーの物語性より先に頭に残ったのは『最終選考』『ディスカッション』『内定』『新卒採用』というような就活生であれば誰もが聞きなれたワード。

私自身も就職活動を行った経験があったので、そのときの記憶が蘇り、背筋を伸ばしてなんとも居心地の悪い気分になりました。
リクルートスーツに身を包んだ自分がふわふわと浮かんで消えました。

さて、本題の内容についてです。
最終選考にせっかく残ったのにその6人の中から1人の内定者を決めなければならない状況。

これって本当に残酷です。

このシチュエーションだけでも胸が圧迫されるような気持ちです。
何も命を奪われるということではないのです。が、就職活動を勝ち抜いて胸をなでおろしていたのに、最後にまた脱落する窮地に追い込まれる。やっぱり残酷です。

その脱落ゲームに追い打ちをかけるように発見される「●●は人殺し」と書かれた告発文。
そこからどうなるのか? もう想像が膨らんで破裂しそうです。

『六人の嘘つきな大学生』を紹介された方は、そんな気持ちを代弁するように話をしてくれました。
それから、全体を通して特に面白い(面白さが加速する)箇所を教えてくれました。が、こちらはネタバレになるので割愛します。

とにかく面白い、興味深い、読む手が止まらない、箇所があるとのことです。

いかがでしょうか? 就職活動に良い思い出がある人も、そうでない人もミステリーの謎はもちろんのことこの状況に興味を示さずにはいられないのではないでしょうか。

ちなみにこの小説は、2022年の本屋大賞にもノミネートされており、ブランチBOOK大賞を2021年に受賞しています。
他にもいくつかのミステリー小説ランキングにも顔を出す実績のある本です。
(このミスやミステリが読みたい! 本格ミステリ・ベスト10……etc)

ドラマ化はすでにされており、映画化の話もあります。
話題沸騰の小説、就職活動が続く限りまだまだ読まれていく名作になりそうです。
ということで、またしても読みたいリストに追加、積読本が増えていくばかりです。

その他に紹介された本は こちら

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