読書会の参加者が紹介する海外小説6冊 / (2022年12月11日)
2022年12月11日の読書会
普段はそれほど読まない海外小説を持参された方もいて、開始前に心地よいワクワク感がありました。
ライフ・アフター・ライフ / ケイト・アトキンソン
■人生の岐路に読みたい本
もし死ななかったとしたら……。幾度も生まれ、様々な死を迎え、幾つもの別の生を生きる一人の女性。
引用:版元ドットコム
コスタ賞受賞作:イギリス人あるいは在住する作家に与えられる英語文学賞を受賞していることもあり、質の高さを感じさせられます。
■興味深い質問
「過去に戻って、人生をやり直したいと思ったことはありますか?」
■参加者が盛り上がったところ
人生をやり直したとして、また同じ人生を歩むには億劫すぎる……。たしかに! という共感。
■この本をより楽しめる情報
2段組みで550ページ超の圧倒的なボリュームで、読み応え満載です。
■こちらの記事も併せて読みたい
シンプルな情熱 / アニー・エルノー
■恋愛の沼に浸りたいときに読みたい本
離婚後独身でパリに暮らす女性教師が、妻子ある若い東欧の外交官と不倫の関係に。
引用元:「BOOK」データベース
2022年ノーベル文学賞受賞作家による衝撃作
■興味深い質問
「これまでに泥沼の恋愛をしたいと思ったことはありますか?」
■参加者が盛り上がったところ
知り合いにも好きな人に振り回される人がいるんです。(私は違います!)
■この本をより楽しめる情報
冒頭から引き込まれるセンテンス。また映画化もされているので、小説だけではなくまた違った『シンプルな情熱』を楽しむことができます。
■こちらの記事も併せて読みたい
息吹 / テッド・チャン
■異次元の近未来を覗き見たいときに読む本
人間がひとりも出てこない世界、その世界の秘密を探求する科学者の驚異の物語を描く表題作。
引用元:「BOOK」データベース
世界最高水準のSF短編集
■興味深い質問
「理解できましたか?」
「人間がひとりも登場しない小説でも面白いですか?」
■参加者が盛り上がったところ
テッド・チャンの文章について。テクニカル・ライター特有の難解さが物語の世界観を深くしている?
■この本をより楽しめる情報
ヒューゴー賞、ネビュラ賞をはじめ数々のSF小説の受賞作がおさめられた珠玉の短編集です。短編しか書いていない著者の真骨頂がここにあります。
■こちらの記事も併せて読みたい
イザベルに ある曼荼羅 / アントニオ・タブッキ
■独特の浮遊感を味わいたいときに読む本
ポルトガルの独裁政権下で地下活動に関わり姿を消した女性イザベルをめぐる物語。
引用元:版元ドットコム
リスボン、マカオ、スイスと舞台を移しつつ9人の証言者によって紡がれる謎の曼荼羅。
幻想的な作風が多くみられる著者の遺作
■興味深い質問
「幻想的なシーンについていけましたか?」
■参加者が盛り上がったところ
紹介者は、この小説のタイトルが『イザベルに』で、『ある曼荼羅』が副題だった事に気が付かず、『イザベル(という場所?)にある(在る)曼荼羅』と勘違いしていた。
実際には、『イザベル(名前)に』『ある(或る)曼荼羅』
■この本をより楽しめる情報
物語の筋とは別に、小説の中に登場する”飲み物”や”音楽”、”国や場所”の雰囲気がとても洒落ています。
【まとめ】
こうして改めて思い返してみると、スケールの大きな物語が多かったです。
シリアスな内容にもかかわらず、息の詰まるような沈黙なく終始はなしっぱなしの2時間でした。
そういえば話が盛り上がり、なぜかインド映画『RRR』の話題になったのことも印象的です。
読書会とは関係ありませんが、意外と記憶に残っています。