6月20日(土)小説(ジャンルは自由)限定読書会開催 / RENS(大阪の箕面)
小説限定(ジャンルは自由)読書会 2026年6月20日(土)
小説限定の読書会が開催されました。
今回の読書会では、現代小説から海外文学、日本近代文学、幻想文学、短編集まで、ジャンルの異なる5冊について語り合いました。
「結局どういうこと?」「この作品って読みやすいの?」といった素朴な疑問から、作品の深い考察まで、今回も話題が尽きませんでした。
内容にはネタバレも含んでいますので、ご注意ください。
イン・ザ・メガチャーチ / 朝井 リョウ (日経BP(日本経済新聞出版)
■推し活、人が何かに熱狂する仕組みを知りたいあなたにおすすめの一冊
あるアイドルグループの運営に携わる、家族と離れて暮らす男。積み重なる心労を癒やしたい大学生。仲間とともに舞台俳優を応援していたが、ある報道で状況が一変する女。ファンダム経済を仕掛ける側、のめり込む側、かつてのめり込んでいた側――世代も立場も異なる3人の視点から、人の心を動かす「物語」の功罪を描く長編小説。ーー
引用元:「楽天ブックス」より
■興味深い質問
「読者によって、ラストの印象がかなり分かれる作品なんですか?」
「そうですね。『あーあ…』と感じる人もいれば、意外とすんなり受け止められる人もいます。私は『まあまあ納得できたかな』という印象でした。
■参加者が盛り上がったところ
「中間」
社会学的なテーマを扱っているのに、難しさを感じさせず、とても読みやすい文章で描かれていることに感心しました。
「作者がどちらか一方に偏らず、中立的な立場で描いているのがすごい」
■この本をより楽しめる情報
本作は2025年に作家生活15周年を迎えた朝井リョウの記念作品で、2026年本屋大賞に加え第9回未来屋小説大賞、第2回「あの本、読みました?」大賞をトリプル受賞。著者は『桐島、部活やめるってよ』でデビューし、『何者』で直木賞、『正欲』で柴田錬三郎賞を受賞(いずれも映像化)。
■興味深い質問
「幽霊の話なんですか??」
「怪談がモチーフになっていると思うんですけど、怖いというより幻想的で、まるで映画を観ているような美しい情景描写が魅力の作品です!」
■参加者が盛り上がったところ
「昔の作品だから読みにくそう」
「字体を見ただけで身構えてしまう」という声もありましたが、
「実際に読んでみると意外なほど読みやすいんですよ」
■この本をより楽しめる情報
泉鏡花は尾崎紅葉に師事した明治の作家で、幻想文学の先駆者として知られます。「高野聖」の背後には上田秋成『青頭巾』の影響が指摘されており、独特な文体のリズムを味わう作品でもあるため、「読みやすかった箇所・難しかった箇所」を話し合うのも面白いポイントです。
灯台へ / ヴァージニア・ウルフ (岩波書店)
■静かな心理描写や「意識の流れ」の文学、モダニズム文学に挑戦したい人におすすめの一冊
スコットランドの孤島の別荘。哲学者ラムジー氏の妻と末息子は、闇夜に神秘的に明滅する灯台への旅を夢に描き、若い女性画家はそんな母子の姿をキャンバスに捉えようとする――第一次大戦を背景に、微妙な意識の交錯と澄明なリリシズムを湛えた文体で織り上げられた、去りゆく時代へのレクイエム――
引用元:「岩波文庫」より
■興味深い質問
「結局、灯台にはたどり着けるんですか?」
「実はたどり着きません(笑)。物語の約7割はたった1日の出来事で、その後は一気に10年後へ飛ぶという、とても独特な構成なんです」
■参加者が盛り上がったところ
「意識の流れって」
視点がかわったり「意識の流れ」で描かれる独特な文体に最初は戸惑いましたが、
「読み進めるうちに不思議とクセになる、気づけば作品世界に引き込まれていました。
■この本をより楽しめる情報
「意識の流れ」の手法を確立したウルフの代表作の一つで、モダニズム文学の到達点とされています。翻訳は複数存在し(岩波文庫・御輿哲也訳、新潮文庫・鴻巣友季子訳など)、訳によって文体の印象がかなり異なるため、「どの訳で読んだか」を話し合うと盛り上がりやすい作品です。
■興味深い質問
「結局、春琴の顔にやけどを負わせた本当の犯人は誰なんでしょう?」
「作中では真犯人は最後まで明かされません。
そのため、「もし犯人が実は春琴自身だったとしたら?」
「あるいは佐助だったとしたら…?」
■参加者が盛り上がったところ
「これぞ谷崎潤一郎の真骨頂ですね!」
一見すると文字がびっしり詰まっていて難しそうに見える『春琴抄』ですが、
「読み始めると驚くほどスラスラ読める」
「文章がとにかく美しく、読みやすい」
谷崎の文章力の高さを改めて実感しました。
■この本をより楽しめる情報
関東大震災を機に関西へ移住した谷崎が、日本的な美意識へと作風を転換させた時期の代表作です。句読点をほとんど使わない実験的な文体が特徴で、山口百恵・三浦友和主演で映画化もされています。
壜の中の手記 / ジェラルド・カーシュ (角川文庫)
■奇妙な味の短編小説や、皮肉とユーモアのあるホラー・怪奇小説が好きな人におすすめの一冊
アンブローズ・ビアスの失踪という米文学史上最大の謎を題材に、不気味なファンタジーを創造しMWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞を受賞した表題作をはじめ、無人島の白骨に秘められた愛の物語、呪いの指輪の逸話など、異色作家カーシュの奇想とねじれたユーモアに満ちた傑作短編集ーー
引用元:「角川文庫」より
■興味深い質問
「この中で一番好きな短編はどれですか?」
「「やっぱり『豚の島の女王』ですね!」と即答でした。
■参加者が盛り上がったところ
「最近文庫が高い」
「どうして今このタイミングで文庫化されたんでしょうね?」
「最近は文庫本もずいぶん高くなりましたよね」
「1,210円はちょっと……」
■この本をより楽しめる情報
著者ジェラルド・カーシュ(1911-1968)はパン屋、レスラー、ナイトクラブの用心棒、新聞記者など様々な職を経て作家になった経歴の持ち主。表題作は1958年にエドガー賞(MWA賞)を受賞しており、実在の作家アンブローズ・ビアスの謎の失踪事件を題材にしている点も話題にしやすいポイントです
【課題本一覧】
夏帆 / 村上春樹 2026年7月25日(土)開催予定
金閣寺 / 三島由紀夫 ←未定(参加希望者が2名以上になれば)
海と毒薬 / 遠藤周作 〃




