有名すぎる小説を読む
読書遍歴をみれば、その人がどういうものを好むのか、という判断材料になると思います。
ミステリー小説ばかり読んでいる人を10人集めても、好きな小説ベスト10すべてが同じということはありえません。
この世に同じ人間がひとりも存在しないように、同じ趣味趣向、読書遍歴もまたしかりです。
その中でも、高確率で読まれている本があるとすれば、それはもう有名な本しかありません。
『そして誰もいなくなった』『世界の中心で愛をさけぶ』『罪と罰』『限りなく透明に近いブルー』……あたりは、本を読まない人でもタイトルだけは聞いたことがあるのではないでしょうか。
本は、好きに読むにこしたことはありません。
自分自身も何冊か読んでいくうちにどういう本が好きか、という嗜好がわかり読書スタイルのようなものができました。
好きな本ばかりを読み漁る一方、それでも話題の本や、有名な本がちらちらと視界の端に映ります。
興味はもちろんありつつも、なぜかそれらの有名な小説は敬遠しがちになっていました。
それらの本をなにかのきっかけで読んでみると、ほとんどの場合が想像以上に面白くてもっと早く読めばよかったとなることが多かったです。
有名な本はタイトルだけではなく、内容も聞いたことがあるので、すでに読んだ気になっていたのかもしれません。
あるいは、せっかく築き上げた自身のスタイルを崩したくなかったのかもしれません。
積読本の中には、そういった有名な本たちが眠っています。
そして、意識をさせられています。