BLOG

アーカイブ

読書会 2023年3月24日

今回はまたしても平日ということで第2回目となる『フリージャンルの読書会』。
この小説(作家さん)を世に広めたいという想いで参加してくれた方もいらっしゃいました。

フリージャンルの読書会ということで、いつもとは毛色の違う本が集まりましたので紹介します。


彼女の知らない空 / 早瀬 耕

■組織に身をおくすべての人に読んでほしい1冊

ぼくは、自分の正義を貫くことができるのか

憲法九条が改正され、自衛隊に交戦権が与えられて初めての冬。航空自衛隊佐官のぼくは、千歳基地に配属され、妻の智恵子と官舎で暮らしている。しかし、智恵子は全く知らない。ぼくが、一万二千キロ彼方のQ国の無人軍用機を遠隔操縦し、反政府組織を攻撃する任務に就いていることを。トリガーを引いたら、ぼくは自衛隊史で初めての殺人者になる。それでも智恵子は、いつものように優しい声で「おかえりなさい」と言ってくれるだろうか――

引用元:(版元ドットコム)より

■興味深い質問

「ほかの読書会でも早瀬耕さんを紹介しているんですか?」
「はい、とても良い小説家なので広めたいです」

■参加者が盛り上がったところ

「会社で生きることの葛藤、苦悩や悲しみが描かれています」
社会的な問題や価値観の変化などが主人公を苦しめます。これって現実にありますよね。

■この本をより楽しめる情報

この小説を紹介するために平日の夜に箕面まで来ていただきました。とにかく素晴らしい作者とその物語です。1992年『グリフォンズ・ガーデン』でデビューしてから20年の時を経て2作目が出版されています。今作は4作目となる短編集です。

■この記事の詳細はこちら


無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語 / ガブリエル ガルシア=マルケス

■ブラックで大人の童話を読みたいあなたにおすすめの1冊

コロンビアのノーベル賞作家ガルシア=マルケスの異色の短篇集。“大人のための残酷な童話”として書かれたといわれる6つの短篇と中篇「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」を収める。

 引用:「筑摩書房」HPより

■興味深い質問

「タイトルはなぜ? 『〜悲惨”の”物語』なんでしょうか?」
悲惨”な”ではなく、悲惨”の”? 客観? 主観? 断定? 議論が湧きました。

■参加者が盛り上がったところ

「ほとんど化け物?」
表題作に登場するエレンディラの祖母のキャラクターが強烈です。”無情な祖母”とありますが、メンタル的にも肉体的にも人間のそれを超越したほとんど化け物のような描かれ方です。

■この本をより楽しめる情報

代表作『百年の孤独』にあるようなマジックリアリズムといわれる文学的な技法もなく読みやすいです。それでいてラテン・アメリカを感じられる作品です。


ハイペリオン / ダン・シモンズ

■壮大な世界観でSFの魅力が凝縮された1冊

28世紀、宇宙に進出した人類を統べる連邦政府を震撼させる事態が発生した!時を超越する殺戮者シュライクを封じこめた謎の遺跡-古来より辺境の惑星ハイペリオンに存在し、人々の畏怖と信仰を集める”時間の墓標”が開きはじめたというのだ。時を同じくして、宇宙の蛮族アウスターがハイペリオンへ大挙侵攻を開始。連邦は敵よりも早く”時間の墓標”の謎を解明すべく、七人の男女をハイペリオンへと送りだしたが…。ーー

引用元:「版元ドットコム」より

■興味深い質問

「えっ? この小説はChatGPTに選んでもらったのですか?」
紹介された方はなんとChatGPTに読む本を選んでもらったそうです。しかも小説を読むのがこの『ハイペリオン』で3冊目ぐらいとのこと。

■参加者が盛り上がったところ

個性豊かな7人のキャラクター
神父や詩人、赤ちゃんまで登場する色とりどりの多彩なキャラクター、ひとりひとりに興味深い背景があります。

■この本をより楽しめる情報

全部で4部構成となっている1作目です。あとに『ハイペリオンの没落』『エンディミオン』『エンディミオンの覚醒』と続く超大作。
「ヒューゴー賞」「ローカス賞」「星雲賞」といって数々のSF賞を受賞。


自分の意見で生きていこう / ちきりん

■正解のない問題に対する姿勢を見つめ直したいあなたにおすすめの1冊

人気ブロガーが、現代を生きぬくための根幹の能力を解説するシリーズ最終巻。今求められる「正解のない問題に答えを出す力」とは

引用元:版元ドットコム

■興味深い質問

「会社で意見を主張するようになりましたか?」

■参加者が盛り上がったところ

職場での自分について

今回はじめての自己啓発本ということで、少し個人的な話題になりました。意見の話から派生して職場での参加者の様子を話し合いました。

■この本をより楽しめる情報

著者であるちきりんさん、一説によるとマッキンゼー・アンド・カンパニー出身の経営コンサルタントである伊賀泰代さんなのでは? という憶測があります。真相はわかりません。


【まとめ】

今回の読書会はフリージャンルということもあり、はじめて自己啓発本が紹介されました。また小説を読み始めたばかり方、特定の本をひろめたい想いで参加された方、さまざまでした。
参加者の多様な読書嗜好によって、今回も読書会はとても興味深く、有意義なものとなりました。

箕面は大阪市内からけっこう離れた場所ですが、また平日に開催できればと思います。


関連記事一覧