読書との相性(飲み物)
本を読むときは、いっさいなにも飲まずストイックに文章だけを追う。
そういった姿勢で読書をしている人は、多くはないと思います。
たいていは喉を適度に潤しながら、もしくは飲み物が主役でそのアクセントとして本を手元に置くばあいもあるかもしれません。
たくさん飲み物はあって、何を読書とセットにするかは好みによるものですが、個人的には一番合う飲み物はホットコーヒーです。
定番にして王道、読書家の多くがホットコーヒーを上位にしていると信じています。
暖かいコーヒーは一気に飲み干すものではないので、時間をかけてゆっくりと進む物語のお供に適しています。苦くて、甘くて、酸味もきいているコーヒーの重層的な味わいは、小説のそれに似ています。
それだけに夏でもホットコーヒーを好んで飲んだりします。
とはいえ、やはり暑い日には冷房のきいた部屋で、冷たい飲み物も捨てがたいです。
アイスコーヒーは氷がすぐに溶けるので、比較的早めに飲み干さなくては、美味しさが損なわれます。
そこで、ロックのウイスキーも良いです。これはもちろん夜の時間で、あと寝るだけというときに適しています。
それに、ホットコーヒーとの共通点があります。
ゆったりと余裕をもって少しずつ喉に流し込んでいきます。
時間の経過とともに氷が溶けて、口当たりが変化してくことも醍醐味です。起伏のあるストーリーラインを楽しむように。
飲み物は読書を彩るうえで欠かせませんが、読んでいる本がいよいよ佳境にはいり、次の展開が気になって早くページをめくりたい、となればなにかを飲むことも忘れるでしょう。
そういう一種ゾーン状態のようになれば、喉が渇いていようが、頬やわき腹がかゆかろうが、没頭すれば、もういうことはありません。