『本屋大賞』読書会で紹介された『汝、星のごとく』 / 凪良 ゆう(2023年2月11日)
限定された環境に違和感を覚えているあなたにおすすめする1冊です。
「凪良ゆうさんの有名な小説なんでしたっけ? 『本屋大賞』にもなった」
「『流浪の月』ですよね」
1冊目から本屋大賞にふさわしい著者の作品が紹介されました。
参加者全員の注目度の高さからも前のめりになって聞きました。
というのも今回の読書会では、どの本から紹介するのか指名制にして1番票を集めたのがこの『汝、星のごとく』だったからです。
「もともとBLの作家さんだったんです」
私はそのことを知らなかったので、けっこう驚きました。
しかも今はタイのBLがアツいとか。
この作品についてはメインはBLではなく異性間の恋愛が描かれているようです。
2023年の本屋大賞にもノミネートされていて、紹介された方はまた大賞を獲ってほしいという応援も込めて話をしてくれました。
【あらすじ】
その愛は、あまりにも切ない。
正しさに縛られ、愛に呪われ、それでもわたしたちは生きていく。
ーーわたしは愛する男のために人生を誤りたい。
風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)。
ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。――ーーまともな人間なんてものは幻想だ。俺たちは自らを生きるしかない。
(引用元:版元ドットコム)より

「マイノリティにスポットを当てた小説ですか?」
いつも変わりのない顔ぶれ、引きこもりや不倫、同性愛。
紹介された方は少し間をおいて「大枠に入れなかった人たち」と言いました。
普通に生活をしているのにみんなの枠に入れない、はみ出すつもりがなくてもあぶれてしまうことは誰もが経験したことではないでしょうか。
“大枠に入れなかった人たち”は孤立を感じるのか、不当な扱いだと思うのか、抗うのか、登場人物たちの動きが気になります。
「”親ガチャ失敗”した人たちみたいな」
舞台は瀬戸内の島。限定された地域で延々と続く人間関係。その中での「親ガチャ失敗」がどれほど致命的なのか、彼らを縛る枷になっているのか身につまされる思いです。
「親ガチャ失敗」論にはなりません。
現代的でキャッチーなワードはとは裏腹に深刻さを感じました。

「これって職場でも同じじゃないですか?」
ある参加者が言いました。
転職率が上昇してきたとはいえ、会社に就職して転職せずに働いている人たちにとって瀬戸内の島も、会社も同様なのかもしれません。
「『わたしは愛する男のために人生を誤りたい』というセリフがあります」
自分の人生に誤りがあるのかどうか、答えのない問いが刺さりました。
「タイトルにある”星”って?」
星が何を意味するのか、汝とは誰か、作中で明かされるそうです。
2023年の『本屋大賞』ノミネートされているこの作品に期待が高まります。