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小説限定(ジャンルは自由)読書会 2026年7月11日(土)

今回の読書会では、歴史小説、ミステリー、純文学、話題の新刊まで、ジャンルの異なる5冊が揃いました。

「豊臣秀吉は英雄?それとも悪漢?」「村上春樹にもスマホが登場する?」「メタ読みは通用する?」など、今回も読書会ならではの素朴な疑問や考察がりました。

参加者との印象的なやり取りや、本をもっと楽しめる豆知識をまとめました。気になる一冊があれば、ぜひ手に取ってみてください。

内容にはネタバレも含んでいますので、ご注意ください。


妖説太閤記 山田風太郎ベストコレクション/山田風太郎

■定番の英雄譚とはひと味違う、人間くさく妖しい秀吉像を読みたい人におすすめの一冊

惨めな人生に絶望していた藤吉郎(後の豊臣秀吉)は、信長の妹・お市に出会い天下取りの野望に目覚める。巧みな弁舌と憎めぬ面相で正体を隠しながら、竹中半兵衛らの力を借りて織田家中を掌上で操り、本能寺の変から山崎合戦を経て天下人へと駆け上がっていく——英雄の仮面を剥ぎ取り、その妖しい素顔を暴く異色の歴史伝奇大作。ーー

引用元:「KADOKAWA」より

■興味深い質問

「豊臣秀吉のイメージってどんなんですか??」

「一般的には天下人や英雄というイメージが強いですよね」
「いやでも、この作品ではまったく違います。むしろ“悪漢”として描かれているんです」

■参加者が盛り上がったところ

「豊臣秀吉、引き返すのが早すぎませんか?」

本能寺の変へ。
「もしかすると、織田信長が明智光秀に討たれた裏で、本当は秀吉が糸を引いていたのでは?」
「そいう説ありますよね」

■この本をより楽しめる情報

著者・山田風太郎は1922年兵庫県生まれ、1947年『達磨峠の事件』でデビュー。1949年に探偵作家クラブ賞、1997年に菊池寛賞、2001年に日本ミステリー文学大賞を受賞した忍法帖シリーズの巨匠。本作は1967年刊行で、司馬遼太郎の『新史太閤記』(1968年)より先に発表されており、同じ秀吉を描きながら正反対の人物像を打ち出している点を読み比べると面白いポイント。


夏帆 The Tale of KAHO/村上春樹

村上文学の新境地を、最新作でいち早く味わいたい人におすすめの一冊

26歳の絵本作家・夏帆は、初対面の男からいきなり辛辣な言葉を投げつけられる。とびきり美しくも賢くもない、ただ好奇心の強い彼女は、その意味を測りかねたまま、周囲で次々と奇妙な出来事に見舞われていく——村上春樹が初めて女性を単独主人公に据えた最新長編ーー

 引用:「新潮社」より

興味深い質問

「ついに村上春樹の小説にもスマホが登場するんですか?」

「そうなんです。これまでの村上作品ではあまり見かけなかったスマートフォンが自然に登場していて」
「ちゃんと現代の物語なんですね」

■参加者が盛り上がったところ

「この作品は、村上春樹アンチもそこまで盛り上がらないかもしれないですね笑」

村上春樹初の女性主人公による長編ということもあり、「これまでよく言われてきた“村上作品らしさ”とは少し違う印象」
「男性主人公を中心としたおなじみのハーレム感は少ないかも」

■この本をより楽しめる情報

村上春樹(1949年京都生まれ)は『風の歌を聴け』でデビューし、『ノルウェイの森』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』などで知られている。本作は文芸誌『新潮』で断続的に発表された連作を加筆再構成したもので、著者本人が大病からの回復期に書き進めた「僕自身の回復の物語」だったと語っている。2026年7月3日発売のできたてほやほやの一冊。


Nの逸脱/夏木志朋

■ふとした瞬間に人が壊れていく怖さを、短編でじわじわ味わいたい人におすすめの一冊

爬虫類ペットショップで働く金本篤は、売れ残ったフトアゴヒゲトカゲを救うため、ある男を強請って金を得ようとするが、自ら仕掛けた罠が思わぬ結末を呼び込んでしまう(「場違いな客」)。ほか、深夜電車で見知らぬ女を追い始める女性教師の話など、町の「隣人」たちが日常のふとした瞬間から転落していく3つの物語。――

引用元:「ポプラ社」より

興味深い質問

「紫外線ライトを”現金”で買う理由ってわかりますか?」

「実は作中では、大麻を栽培するためなんです」
作中で、足がつかないように現金で購入するというリアルな設定で、「そんなところまで考えられているのか」と作品の生々しさを感じられました。

■参加者が盛り上がったところ

「イリーガルな世界観」

単なる犯罪小説やミステリーではないんですよね。」
現代社会の闇や病理をドキュメンタリーのようなリアリティで描きながら、登場人物の心理にも深く切り込んでいく作風
「これは一気に読んでしまいそう」

■この本をより楽しめる情報

著者・夏木志朋は1989年大阪生まれ。2020年刊行のデビュー作『ニキ』(文庫化『二木先生』)が16万部を超えるベストセラー。本作は2025年上半期の第173回直木三十五賞候補作に選ばれ、著者自身が過去にひったくり被害に遭った経験が着想のもとになっている。


私が彼を殺した /東野圭吾

犯人が明かされない「読者への挑戦状」形式のミステリーに、じっくり頭を悩ませたい人におすすめの一冊

結婚式の最中、脚本家・小説家の穂高誠が毒殺される。動機を持つ容疑者は3人——婚約者の兄、恋人を奪われた男、元交際相手の女。犯人は最後まで明かされないまま、加賀恭一郎が真相へと迫っていく。読者自身が推理する「東野圭吾からの挑戦状」ーー

 引用:「講談社」より

興味深い質問

「メタ読みって、この作品では通用しないんですか?」

「はい、ほとんど通用しません。登場人物全員にしっかり見せ場や背景があるため『この人だけ怪しい』という先入観を持ちにくいです」
「映画みたい『この大物俳優が犯人なんだろう』と予想するような読み方ができない」

■参加者が盛り上がったところ

「東野圭吾作品って本当にたくさんありますよね」

「実は本格ミステリー色の強い作品も多い」
『私が彼を殺した』や『どちらかが彼女を殺した』のように、作中では犯人が明かされず、読者自身が推理する挑戦的な作品があることでも盛り上がりました。

■この本をより楽しめる情報

著者・東野圭吾は1958年大阪生まれ。1985年『放課後』で江戸川乱歩賞を受賞しデビューし、2006年『容疑者Xの献身』で直木賞・本格ミステリ大賞を受賞するなど数々の賞を受賞。本作は加賀恭一郎シリーズ第5弾で、1999年に講談社ノベルスとして刊行、2002年文庫化、2023年に新装版が刊行された。『どちらかが彼女を殺した』と同様、犯人を明かさずに読者に推理を委ねる構成で、巻末の袋とじ解説とあわせて読書会で「犯人当て」を語り合うのにぴったりの一冊。


蓼食う虫/谷崎潤一郎

■谷崎潤一郎の耽美な文体で、崩れゆく夫婦の心理をじっくり味わいたい人におすすめの一冊

夫婦仲が冷え切った要と美佐子。互いに公認の恋人・愛人を持ちながらも、子供のことを考えて離婚を切り出せずにいる。義父に誘われて訪れた人形浄瑠璃の世界に惹かれていく要の姿を通し、日本の伝統美への回帰と壊れた夫婦の機微が静かに描かれていく。ーー

引用元:「新潮社」より

興味深い質問

「人形浄瑠璃の描写、本当にいいですよね?」

「まさに谷崎潤一郎の真骨頂ですね。日本の伝統芸能や文化、美意識を圧倒的な筆力で描き出す文章」
「読んでいるだけで情景が目に浮かぶ」

■参加者が盛り上がったところ

「作家と小説の距離感」

「谷崎って、年齢を重ねるごとに作品も変化していく作家ですよね」
若い頃と晩年では関心やテーマが大きく変わっていく一方で、
「ずっと30代くらいの主人公ばかりを書き続ける作家もいますよね笑」
「30代が一番動きやすいっていう理由もあるみたいですよ」

■この本をより楽しめる情報

著者・谷崎潤一郎(1886-1965)は東京生まれ、関東大震災を機に関西へ移住し、日本の伝統美への傾倒を強めた。本作はその転回点となった代表作の一つで、実生活で起きた「妻譲渡事件」(妻・千代を佐藤春夫に譲った騒動)を色濃く反映した私小説的側面がある。1929年の新聞連載時には小出楢重による挿絵が添えられ、近代挿絵史上の傑作とも。



【課題本一覧】  
夏帆 / 村上春樹 2026年7月25日(土)開催予定 
金閣寺 / 三島由紀夫   ←未定(参加希望者が2名以上になれば)
海と毒薬 / 遠藤周作        〃

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