5月2日(土)小説(ジャンルは自由)限定読書会開催 / RENS(大阪の箕面)
小説限定(ジャンルは自由)読書会 2026年5月2日(土)
小説限定の読書会が開催されました。
今回の読書会では、村上春樹、カフカ、ヴォルテールから話題の海外文学まで、ジャンルも時代も異なる5冊を取り上げました。
それぞれの本の見どころや、参加者の印象に残ったやり取り、をまとめています。気になる一冊があれば、ぜひ読んでみてください。
内容にはネタバレも含んでいますので、ご注意ください。
■参加者が盛り上がったところ
「印象深い」
「素晴らしいものは過ぎ去ったもの」や「シロアリのオイル漬け」といった、一度読んだら忘れられない独特のフレーズ。
「頭から離れない」
■この本をより楽しめる情報
タイトルはボサノヴァ作曲家アントニオ・カルロス・ジョビンの曲「Useless Landscape」。本作で語られた体験が『ノルウェイの森』や『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』の着想につながったと村上自身が述べており、村上作品ファンには裏話として楽しめる一冊。
■興味深い質問
「そんなに不幸な話なんですか?」
「そうなんです(笑)。登場人物が行く先々で不幸に見舞われるので、『結局、誰が一番不幸なんだろう?』」
■参加者が盛り上がったところ
「貧困、怠惰、退屈」
「すべての物事は最善である」という楽観主義の考え方を、作品が痛烈に皮肉っているところが印象的。
「前向きな言葉なのに、こんなにも皮肉に聞こえる」
■この本をより楽しめる情報
1755年のリスボン大地震をきっかけに、ヴォルテールが哲学者ライプニッツの「最善説」に疑問を抱いて書いた作品と言われています。刊行当時から大きな話題を呼び、現在も英語圏の大学でよく読まれる文献の一つに数えられるほどの作品。
カフカ短篇集 / フランツ・カフカ (岩波文庫)
■難解と言われるカフカに、まずは短篇から気軽に触れてみたい人におすすめの一冊
「掟の門」「判決」「田舎医者」「流刑地にて」など、カフカの中短篇20篇を収めたアンソロジー。実存主義やユダヤ教、精神分析など様々な角度から論じられてきたカフカ文学だが、まずは類い稀な想像力が生んだ「現代のお伽噺」として、素直に読む楽しさを味わえる――
引用元:「岩波書店公式サイト」より
■興味深い質問
「どの短編が一番印象に残りましたか?」
「『猫と羊』ですね。ちょっと不思議な動物が登場して、まるで現代版のおとぎ話のような雰囲気がよかったです」
■参加者が盛り上がったところ
「やっぱり不条理」
「最初は不条理文学だと思って読んでいたけれど、現実そのものが不条理なんですよね」
「思い通りにいかない現実を描いているからこそ、不思議な世界なのにリアルに感じる」
■この本をより楽しめる情報
カフカは生前ごく薄い短篇集しか発表せず、死の間際に友人マックス・ブロートへ原稿の焼却を頼んだものの、ブロートがそれに従わなかったことで今日まで作品が残ったという逸話が有名です。訳者・池内紀による巻末の解説でもこの経緯が紹介されており、あわせて読むとカフカの人物像がより立体的に見えてきます。
■興味深い質問
「タイトルの『グレート・サークル』って、どういう意味なんですか?」
「球体を真っ二つに切ったときにできる最大の円のことです。例えば地球なら赤道や経線のようなイメージですね」
「なるほど、地球のことなんですね!」
■参加者が盛り上がったところ
「人生」
「主人公の人生を、生まれてから最期までじっくり描く物語が好きなんです。」
「一人の人生を長い時間軸で追いかける壮大な物語の魅力、いいですね」
■この本をより楽しめる情報
本作は2021年ブッカー賞、2022年女性小説賞(Women’s Prize for Fiction)の最終候補に選ばれ、高く評価されました。実在の女性飛行士たちを思わせる設定ながら、主人公マリアンはあくまで架空の人物として造形されています。
午後四時の男 / アメリー・ノートン (河出文庫)
■静かな会話劇の中にじわじわと恐怖が滲むブラックユーモア小説を読みたい人におすすめの一冊
定年を迎え、理想の田舎暮らしを求めて一軒家を手に入れた老夫婦エミールとジュリエット。だが唯一の隣人である老医師ベルナルダンが、毎日午後四時になると訪れては何をするでもなく居座るようになる。当初はただの困惑だったものが、次第に恐怖へ、そして敵意から殺意へと変わっていくーー
引用元:「文藝春秋公式サイト」より
■興味深い質問
「作者って、日本人の感覚を持っているように感じませんか?」
「確かにそうかもしれません! 幼少期を日本で過ごした経験があるので、その影響が作品にも表れているのかもしれません」
■参加者が盛り上がったところ
「気まずい」
「とにかく気まずい空気の描写がうますぎる! 読んでいるこちらまで居心地が悪くなるくらいリアル」
■この本をより楽しめる情報
著者アメリー・ノートンは1966年神戸生まれ。外交官の娘として幼少期を日本で過ごした経験を持ち、日本企業での勤務経験を描いた『畏れ慄いて』で世界的ベストセラー作家。原題は古代ローマの政治家キケロによる「カティリナ弾劾演説」に由来し、隣人への鬱積した忍耐が演説の文句と重なる構成になっています。
【課題本一覧】
夏帆 / 村上春樹 2026年7月25日(土)開催予定
金閣寺 / 三島由紀夫 ←未定(参加希望者が2名以上になれば)
海と毒薬 / 遠藤周作 〃

