ミステリー・ホラー・SF小説読書会『だからダスティンは死んだ』/ ピーター・スワンソン(2/23)
オチだけではなく、途中も面白いミステリー小説を読みたいあなたにおすすめの1冊です。
著者の小説『そしてミランダを殺す』で「このミステリーがすごい! 」、「週刊文春ミステリーベスト10」や「ミステリが読みたい!」海外部門にTOP10入りし、一躍有名になりました。
タイトルに女性の名前が入っていることでも注目されています。今回のタイトルは『だからダスティンは死んだ』です。ダスティン……男性の名前です。
「外国の小説って名前が覚えにくくありませんか?」
日本語の名前と違ってなじみのないものや、発音が難しい名前もあります。また独創的で聞きなれない外国人の名前もあります。
紹介された方は、もっぱら海外の小説を多く読んでいるので逆に日本の名前が覚えにくいようでした。
海外の小説では人間関係や職業や役割を書き記した「登場人物紹介」が巻頭や巻末に記載されていることもあります。
だいたいは、慣れや読み進めるうちに覚えられることが多いです。海外のミステリー小説も国や文化の違いによって、独自の物語が楽しめるはずです。
【あらすじ】
ボストン郊外に越してきた版画家のヘンと夫のロイドは、隣の夫婦マシューとマイラの家に招待された。食事後にマシューの書斎に入ったとき、ヘンは2年半前に起きたダスティン・ミラー殺人事件で、犯人が被害者宅から持ち去ったとされる置き物を目にする。マシューは殺人犯だと確信したヘンは、彼について調べ、跡をつけはじめるが……。数人の視点で語られる物語は読者を鮮やかに幻惑し、衝撃のラストへとなだれ込む。息もつかせぬ超絶サスペンス!
(引用元:版元ドットコム)より
「何度もどんでん返しがある小説?」
ミステリー小説読者に一番求められているのものが”どんでん返し”だと思っていました。それがあれば、読者を飽きさせずに緊張感を保ったまま最後まで読む推進力にもなると。
一方で、”どんでん返し”が連続すると疲れてしまうことがあるのかもしれないとも思いました。
今回はミステリー小説を好きな方が何名か参加されていたので、ミステリー小説のストリーラインや展開、トリック、ミステリー小説のお作法の話になりました。
「交換殺人?」「叙述トリックは好きですか? 許せます?」「映像化したときに叙述トリックは一発でバレますよね?」「どんでん返しは何回まで?」等々。
80年代のサイコ・サスペンス・ミステリー
紹介された方は、ウィリアム・カッツの『恐怖の誕生パーティ』やジョン・ラッツの『同居人求む』といった作品を思い出して、懐かしんでいました。サイコロジカルサスペンスやミステリードラマなどのサイコロジカルジャンルが隆盛を極めた時代なのでしょうか。
『だからダスティンは死んだ』はオチだけではなくて、物語全体として文体も読みやすく、道中も楽しめる物語のようです。